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コラム「遺言でできること できないこと②」2014年4月執筆

 相続専門のファイナンシャルプランナー・行政書士の中野庸起子です。前回は、法律で定められている各種遺言の文中に「生きている間にもできるけれども、遺言でもできること」「生きている間にはできないので、遺言に書かなければ効力が生じないこと」についてお伝えしました。今回は、よく「これは遺言に書けるのか、効力があるのか、それとも書けないのか」と相談を受けることから、「遺言に書けるけれども法的な効力はないこと」についてお伝えします。

 遺言書を残したい人にとっては、遺言書は自分の死後に家族が読む生前のメッセージですので、いろいろと遺言に書きたいと思われるのではないでしょうか。遺言に書くのは自由ですが、書いても法的拘束力がないことがあります。つまり、「家族へのメッセージ」にはなりますが、その内容を実行するかどうかは残された家族次第で、法律上それを実現しなければならない義務はないことです。それはいったいどのような内容でしょうか。 今までに私が遺言の書き方相談を受けた内容では、下記のような例が挙げられます。

 

①みんな仲良く暮らしてほしい。

②残された奥さんを子供たちで協力して大切に面倒をみてほしい。

③自分の家を相続した人は相続した後は一生その家に住んで、他へは売るな。

④愛するペットの面倒を看てほしい。

⑤愛するペットに全財産をあげたい。

⑥自分が死んだら臓器提供したいなど。

⑦遺体は解剖にまわしてほしい

             ⑧自分が死んだら○○と○○は離婚しなさい

            ⑨自分が死んだら長男ではなく次男が跡取りになりなさい。

            ⑩自分が死んだら、自分の借金は○○が支払いなさい。

  これらは、遺言に書いてもいいですが、法的効力がありません。

 他にも、先日とある取引のある葬儀社の担当者から「『自分が死んだら○○を自分の養子にする』と遺言書に書けば、生きている間にはいろいろな事情があってできないけれども自分が死んだらできるんではないかと、お客様から聞かれたんですが、できますか。」 と問い合わせがありました。

  これもできません。養子縁組は養父母も養子も生きている間にしかできないのです。自分が死んだら跡取りが居なくなるから、死んだら○○が養子になってくれればいいのではと思ってのことですが、残念ながらできないのです。

さらには、「こんなこと書いても効力ないって、そりゃそうでしょ」と思うことかもしれませんが、遺言書を残したいという人からの相談では案外聞かれることです。

 

       では、もし、法的効力がないけれども自分が死んだら家族に伝えたいメッセージがあるのでしたら、それは遺言書ではなく「エンディングノート」で残してはいかがでしょうか。遺言という法律上の形式にとらわれずに想いのまま書けますし、自分の思いを自分の言葉で伝えられます。遺言を書く側も残された側も、お互いが「ありがとう」という感謝を示すには「遺言書」と「エンディングノート」と両方ともを、「争族」ではなく「想族」のための必須アイテムにしてはいかがでしょうか。

 

 

※このコラムの著作権は筆者に帰属しますので、無断転載を固く禁じます。

Yukiko Nakano

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